目撃者
목격자/The Witness
2018年 韓国
監督:チョ・ギュジャン
出演:イ・ソンミン、キム・サンホ、チン・ギョン、クァク・シヤン、他
公開当時から見たいな〜とは思いつつ、
「未体験ゾーンの映画たち2019」の上映作品だったので
シネ・リーブル梅田まで行く機会がないまま公開が終わってしまったという…
なので、放送してくれてありがとうWOWOW!!!笑
ある夜に、自宅マンションから殺人事件を目撃してしまうおじさんが主人公。
目撃するだけなら良かったんですが、逆に犯人にも顔を見られてしまい、
じわじわと追い詰めてくる犯人、証言が欲しい警察、
そして自分の良心とのせめぎ合いで苦しんでいきます。
ストーリーとしては、一時期ネットではやったサイコパス診断を
肉付けして広げたという感じ。
『あなたがバルコニーにいた時、外で殺人事件を目撃した。すると、あなたが見ていることに気づいた犯人がこちらを振り向き、指を一定方向に動かしている。この犯人の意図は何か?』
というやつですね。
この、「指を一定方向に動かす」というのが、
こちらがいる階数を数えている仕草な訳なんですが、
まさにこの映画にも「階数を数える仕草」が登場します。
診断ではここで終わりますが、これは映画なのでここからスタート。
おじさんは引っ越してきたばかりの念願のマイホームである事や、
隣人からの「マスコミ・警察に協力しない」という姿勢、
また、自身も顔を見られているから家族に危険が及んでは…など
色々考えた結果、知らぬ存ぜぬを突き通そうとする訳です。
主人公のおじさん一家。
奥さん、娘含め、どんどん追い詰められます。
ただ、他の目撃証言などから、この人は見ているはず、と
警察は執拗に問い詰めてくる訳ですが、
ところどころに、犯人がいるんですよねえ…
見張ってるぞ、と言わんばかり。
なので、おじさんは結局また知らないふりをする訳です。
同じマンションに住む、もう1人の目撃者。
「ボイス〜112の奇跡〜」では、
第3話にゲスト出演したお母さん役のぺ・ジョンファ。
演技派ですねえ。幸薄そうな感じも私好み。
犯人役はクァク・シヤン。
最近、よく見る様になった俳優さんです。
他の映画で見るよりも太っていてビックリ。
調べてみたら、この映画の為に増量したそうです。
じわじわ追い詰める心理攻撃に加え、
サスペンス映画では珍しい、「犯人がダッシュ」「金槌を投げる」など
なかなかアグレッシブな犯人でした。笑
金槌を投げる演出は、私はかなり好み!
警察は、基本みんな無能でした。笑
有能っぽかったのはこの人くらいでしょうか。
リーダー格で粗暴な雰囲気ですが、多分基本は優しい刑事はキム・サンホ。
有能「ぽい」だけでしたけど…笑
結局、色々あって(隣人が死んだり、愛犬ピッピが殺されたり。泣)
おじさんはなんとかしようとしますが、力及ばず…
というところに土砂災害発生。
(突拍子がない訳ではなく、序盤からちゃんと伏線が張ってある。見事。)
自然の力により犯人は裁かれるのでした…
と、文字にするとちょっと陳腐ですが
映画で見ると、なかなか良かったですよ。
「引っ張りすぎ!」「イライラする!」という意見もかなり多いですが、
思った通りに進んでいく、安心できるサスペンス、という感じで
普通に楽しめました。
ラストシーンはとても良かったです。
あのシーンに、この映画の全てがつまっている様な気がします。
雪が降る深夜、おじさんはひとりぼっち、あの日と同じ、というのも
画的にも美しかった。
あのあと、変なモノローグとかなく、潔く終わるのも良かったです。
映画のポスターは、各国共通デザインの様です。
やっぱり日本版はキャッチコピーがちょっと大きいかなあ…
文字に血痕とか足さなくて良いのに…笑
アメリカ版がすっきりしていて好みではあります。