七つの会議
2019年 日本
監督:福澤克雄
出演:野村萬斎、香川照之、及川光博、片岡愛之助、音尾琢真、藤森慎吾、朝倉あき、他
公開時にも見たいな〜と思っていたのですが、
いつものごとく逃しまして。
WOWOW様の放送のお陰で鑑賞できました。
半沢直樹でも一大ブームを巻き起こした、池井戸潤原作の「七つの会議」。
池井戸さんがすごいのは、
実際にはさすがにありえないだろう…という事を、
ちゃんと現実的なエンタメとして描いてくれるところ。
もちろん監督のパワーもありますが、原作の力は強いですよねえ。
メーカーの不正、上からのプレッシャー、過度なノルマ、
残念ながら他人事ではなく、
どこかの企業では今も行われているのかもしれない、
と思わせる様な描写にはドキドキしました。
私たちだって、あそこまでプレッシャーはかけられなくても
ノルマはあるし、未達だった場合の問答はある訳で…
悪に立ち向かう小市民、という描き方が好きでした。
現実なら、八角の様な社員は、何言っても信用してもらえないと思いますが…笑
役者さんたちはさすが!という感じの人ばかり集まっていて
それだけでも見ていて楽しかった。
というか、使い方が豪華すぎません?!
土屋太鳳ちゃん、溝端淳平さん、役所広司さんあたりの使い方が贅沢すぎて…
音尾さんと太鳳ちゃん。まさかのキャスティングでした。
あと、愛する橋本さとしさんもちょっぴりだけど出ていました。
嬉しい。
この3人が、最終的には探偵になって色々と調べていく訳ですが。
ぐうたら社員からの、正義に燃える男!な野村萬斎さん、かっこよかったですねえ。
やっぱり異常に姿勢が良いし、1人立ち姿が圧倒的でしたけど(笑)
その感じがちょっと不気味に見えるというか、
ミッチーはやっぱりミッチー。
演じるキャラクターによってはあんまりピンと来ない事もあるけど、
今回のミッチーは良い感じでした。
それから、普通の女性社員だったはずの朝倉あきさん。
全く存じ上げなかったんですが、とてもリアルで素敵なお芝居だったと思います。
良い意味で、存在感がないというか、
本当にこういう女性社員いるよなあ…という感じでした。
この2人と、野村萬斎さんが同時にスクリーンに写っているって
すごいよなあ…としみじみしてしまったり。
片岡愛之助さんは、もともと嫌味っぽい役が似合うと思っていたので
前半はかなり良い感じでした。
後半のボロボロになった姿も良かったと思います。
香川照之さんは安定ですよねえ…
あの「震え」の演技は、誰でも出来るもんじゃないでしょう。
凄すぎる…
あと、最後の最後の方、香川さん演じる北川が「ねじ」を見つけるシーン、
見つける前に、八角を追いかけてソファにぶつかる訳ですよ。
私、これ本気ミスだと思ったんですよね…
ミスったけど、そのまま使ってるパターンかなと…
そしたら、ぶつかるのも脚本に組み込まれている訳じゃないですか。
いや、天才か、香川照之。
この人の芝居は、「ナチュラル」ではないんだけど、
「現実にもいるよねえ」のギリッギリのところまで
オーバーにしている感じがあって、
どこまで計算しているんだろう…と毎回気になります。
最近、同じ様な役が続いてしまっていますが、
やっぱり何やってもぴったりハマるのは、天才だなあと思います。
そして!語らずして終われない、藤森慎吾さん!
あなた、そんなに芝居できるんか〜い!
素晴らしかったと思います。
いるいる、こういう嫌味っぽい、自分が有能だと思っている社員!笑
あの独特の声も相まって、嫌味っぽさ最高でした。
野村萬斎さんとやり合うシーンもありましたが、しっかり存在感ありました。
コメディアンのイメージが全然よぎらなくて、凄かったです。
こういうイヤ〜な役で、もっといっぱい映画出てほしいなあと思いました。
原作を読んでいた方は、映画版はあんまりしっくりきていない方も多かったり、
そもそもの作りのテンポが悪いという指摘も多々お見かけしますが、
私はやっぱり基本がミーハーなので、
こういう「オールスターキャスト大集合!」みたいな映画、大好きです。
ストーリーとしても、ワクワク出来て楽しめました。