The Time of My Life

The Time of My Life

今日もええ日になります様に!

【観劇】Q: A Night At The Kabuki

NODA MAPの「Q: A Night At The Kabuki」を見てきました。

 

f:id:poposdays:20191023225439j:image

 

私、NODA MAPとは最近相性が悪くてですね…

何年か前の「逆鱗」の時はあっさりチケット取れたんですが、

前回の「桜の森の満開の下」では、

野田地図WEB先行を含めた5種類の先行&一般発売が全滅

という恐怖の結果になりまして…

一般発売なんて、サイトにアクセスさえ出来なくて…

同じ様にチケットを取ろうとしていた母が、

一般発売でなんとかB席を確保してくれたお陰で見に行けましたが、

3階席の後ろの方という悲しい結果に…

(私は舞台行くならS席取りたいタイプ)

 

今回も、野田地図WEB先行では落選したのですが、

なんとかプレイガイドの先行でチケットを確保しました。

 

それでも2階席だったんです…NODA MAP、すごい人気やな…

  

今回は、松たか子さん、上川隆也さん、橋本さとしさん目当て。

野田秀樹さんの作品に関しては

劇団☆新感線ほど一生懸命は見ていないんですが、

好きな役者さんが出ている時は見に行きます。

桜の森の満開の下とか、MIWAとか)

 

いつものノリで軽〜い気持ちで見に行ったのですが、

こんな号泣するとは思ってもいませんでした…

 

物語は、ロミオとジュリエットのストーリーがクイーンの曲にのせて進んでいきます。

そこに平家と源氏、戦争、などなど色んな要素が重なってくる。

野田秀樹さんの作品はいつも説明ができない…)

 

ロミオとジュリエットを演じるのは、

松たか子さん、上川隆也さん、広瀬すずさん、志尊淳さんの4人。

松たか子さんは安定の美しさ。

上川隆也さんはいるだけでハッとさせられる。

一幕は、2人は割とコミカルなパートも多かったので

なんだかちょっと可愛かったなあ。

広瀬すずさんは初舞台とは思えない貫禄。

声もハッキリ通るし、動きも運動神経の良さを感じる。

志尊淳さんは正統派王子という印象。

良い意味で、一幕は「予告編」に徹していた感じがして素敵でした。

 

我らがさとっさん、橋本さとしさんはやっぱり背も高いし声も良いし

最高に素敵。もう大好き。

新感線の「偽義経〜」に続き、当主の役ですが

やっぱりこういう役が似合いますねえ。

あとロン毛が似合う!!!笑

 

羽野晶紀さんはやっぱり変幻自在。

ジュリエット側、ロミオ側、両方の母を演じていましたが、

羽野晶紀さんなのに、違う人物に見える様な同一人物に見える様な。

あのコロコロとした明るい声がいつも通り素敵でした。

 

竹中直人さんは、舞台で拝見するのは初めて。

映像のイメージが強いですが、舞台でもあのままパワフルでした。

両極にある様な2役を演じるのですが、見事な演じ分け。

 

小松和重さんは、安心する感じ。

ロミオの側にいながら、彼らを翻弄する様な、何もしない様な不思議な存在でした。

 

伊勢佳世さんは、あの声がやっぱり素敵。

復讐に燃える悲しい女性というキャラクターに合っていました。

 

 

やっぱり野田秀樹さんは布や物の使い方がすごいなあと思います。

大きな布がフワフワと動きながら、人が入れ替わる演出なんかは

まるで、私たちも松たか子さん演じる

ジュリエットの夢の中に入ってしまった様な錯覚に陥ります。

 

副題についていた「A Night At The Kabuki」の通り、

歌舞伎要素も随所に。

壁の入り口は、表裏で白黒に塗り分けられていて

誰がいるかによって向きが変わっていたり、

黒子の使い方、すり足の様なお馴染みのスローモーションなどなど

細かいところに散りばめられていた印象です。

 

野田秀樹さんが恐ろしいのは、

一幕で笑っていられた件が、二幕や後半になって

とてつもなく恐ろしい事実や、悲しい現実にすり替わるところ。

全く同じセリフ、同じ演出なのに、もう一幕の時みたく笑えない。

そこに到達する為に、約3時間かけて走り抜けていく感じがします。

「戦争が終わった時、戦争は終わっていない」という

1つのワードの為に紡がれた物語なのかもしれない。

 

あの言葉遊びも、「遊び」だなんて言って良いのかと思うほど秀逸。

ピタゴラスイッチ的な気持ち良さがあるんですよねえ。

なので、恐ろしさも際立つという。

 

ラストシーンは衝撃的でした。

野田秀樹さん、まだあんなシーンが作れるとは。

もう63歳ですよ。

後世に道を譲る気なんてサラサラないんだろうなあ…

 

パンフレットでも野田秀樹さんが書かれていましたが

「音楽の力」というのはとても強くて、

どうしても最初にやった人の印象がついてまわってきます。

特に、その音楽に何かストーリーを乗せるとそっちにひっぱられていく。

QUEENはあまりにも有名すぎて、

みんなそれぞれに想いがあると思うのですが

そういう雑音が入ってこないくらい、

この作品の世界観にぴったりはまっていた気がします。

音楽もそのまま使うのではなくて、

一部の音を抜いていたりイントロだけ使ったりと

思考を凝らしていて、驚きました。

 

悲しくて優しい、愛の物語で最後は号泣でした。

一晩たっても、「Love of My Life」が頭から離れません。

 


Queen - Love Of My Life (Official Video)